公開日
2025/12/27更新日
2026/10/21
AI時代にフリーランスエンジニアが狙いやすいのは、AIを「作る」案件より、生成AIを業務システムに「組み込む」案件です。LLM案件は月71万円以上が72.6%で、案件全体(34.1%)の約2倍です。
この記事では、テックスペースのAI関連の募集中案件306件のデータ(2026年10月20日時点)から、単価・案件の種類・求められるスキルを示します。今のスキルから移る道筋と、生成AIを業務で使うときの情報管理の注意もまとめました。
結論:AI案件は「AIを組み込む」案件が中心
テックスペースのAI関連案件を、2026年10月20日に集計した結果です。
| 項目 | AI・LLM案件 | 案件全体 |
|---|---|---|
| 募集中の件数 | AI関連306件(うちLLM 209件) | 7,364件 |
| 月71万円以上の割合(LLM) | 72.6% | 34.1% |
| 月91万円以上の割合(LLM) | 16.2% | 6.9% |
| フルリモートの割合 | 22.9%(AI関連306件) | 9.5% |
| 契約形態 | 準委任99.0%(306件中303件) | ほぼ準委任 |
| 機械学習モデル開発の案件 | 16件(5.2%) | — |
| 必須スキルにAIの経験がないLLM案件 | 67件(32.1%) | — |
- AI関連306件は、テックスペースの「生成AI・AI開発」「機械学習・AI」「LLM」のページに載る募集中案件を、重複を除いて数えたもの
- 単価の割合は、LLMのページの単価分布から計算した(単価が明記された117件が分母)。案件全体の割合は単価相場の記事と同じ集計
- 機械学習モデルの開発やMLOpsは少なく、LLMアプリ・AIエージェント・RAGが中心
つまり、数学や機械学習の研究経験がなくても、Web開発やクラウドの実務経験を土台にAI案件へ入る道があります。
コスモくんポイントAI案件の中心は「LLMを業務に組み込む開発」だよ。Web開発やクラウドの経験がそのまま土台になるのがポイントだよ!
AI・LLM案件の単価相場(2026年10月20日時点)
スキル別の単価表
各スキルの案件ページにある「案件のデータ」を集計しました。「月71万円以上」「月91万円以上」は単価が明記された案件が分母、「フルリモート」は募集中の件数が分母です。
| スキル | 募集中 | 単価明記 | 最多の単価帯 | 月71万円以上 | 月91万円以上 | フルリモート |
|---|---|---|---|---|---|---|
| LLM | 209件 | 117件 | 71〜90万円 | 72.6% | 16.2% | 21.1% |
| Databricks | 51件 | 23件 | 71〜90万円 | 69.6% | 8.7% | 23.5% |
| BigQuery | 52件 | 39件 | 71〜90万円 | 69.2% | 12.8% | 15.4% |
| Claude Code | 106件 | 77件 | 71〜90万円 | 54.5% | 5.2% | 29.2% |
| Snowflake | 61件 | 28件 | 71〜90万円 | 46.4% | 17.9% | 4.9% |
| Python | 773件 | 389件 | 71〜90万円 | 44.2% | 5.7% | 14.5% |
| FastAPI | 60件 | 30件 | 71〜90万円 | 43.3% | 0.0% | 13.3% |
| 案件全体 | 7,210件 | 3,574件 | 61〜70万円 | 34.1% | 6.9% | 9.5% |
表から読み取れることは、次の3つです。
- LLMは月71万円以上が7割を超える。Python単体(44.2%)より30ポイント近く高い
- データ基盤(Databricks・BigQuery)も約7割が月71万円以上。AIに使うデータを整える仕事も単価が高い
- AIツールで開発するClaude Code案件は、フルリモートが29.2%。案件全体(9.5%)の約3倍
Databricks・BigQuery・Snowflake・FastAPIは単価明記の案件が20〜40件ほどと少ないため、割合は振れやすい点に注意してください。案件全体の行は同じ日の朝の集計(7,210件)です。
LLM案件の単価分布をくわしく見ると、次のとおりです。
| 月額単価 | 件数 | 単価明記の案件に占める割合 |
|---|---|---|
| 〜50万円 | 2件 | 1.7% |
| 51〜60万円 | 8件 | 6.8% |
| 61〜70万円 | 22件 | 18.8% |
| 71〜90万円 | 66件 | 56.4% |
| 91〜110万円 | 11件 | 9.4% |
| 111〜130万円 | 1件 | 0.9% |
| 131万円以上 | 7件 | 6.0% |
このほか、単価が「スキル見合い」のLLM案件が69件あります。言語ごとの単価の比べ方や交渉の仕方は、フリーランスエンジニアの単価相場と上げ方で紹介しています。
働き方と契約の条件
AI関連306件の案件ページで、働き方と契約の条件を確認しました。
| 条件 | AI関連306件の実態 |
|---|---|
| 稼働率 | 306件すべてが100%(週5日相当) |
| フルリモート | 70件(22.9%) |
| 契約形態 | 準委任303件(99.0%)、派遣3件 |
| 精算時間 | 150〜180時間が282件(92.2%) |
| 面談回数 | 1回が199件(65.0%)、2回が95件 |
LLM案件209件の出社頻度は、週5出社が80件(38%)、週2〜3出社が46件(22%)、フルリモートが44件(21%)、週1出社が37件(18%)でした。「AI案件はほとんど在宅」というわけではありません。
AI案件の種類と求められるスキル
AI関連306件の案件ページ(業務内容・必須スキル)を、キーワードで分類しました。1件が複数の種類に入ることがあります。データ基盤は「データ基盤・DWH」のページの募集中150件を別に数えています。
| 種類 | 件数 | フルリモート | 主な仕事 | 一緒に出てくるスキル |
|---|---|---|---|---|
| LLMアプリ開発 | 209件 | 21.1% | 業務システムや自社サービスに、LLMのAPIを組み込む | Python・AWS・TypeScript・Azure・GCP |
| AIエージェント開発 | 94件 | 20.2% | 業務を自動で進めるAIの設計・開発、社内システムとの連携 | Python・AWS・TypeScript・Azure |
| AI駆動開発 | 99件 | 34.3% | Claude Code・Cursor・Copilotなどを使って、通常のシステム開発を進める | AWS・TypeScript・Python・Java |
| RAG | 53件 | 13.2% | 社内文書を検索して答えるAIの構築、回答精度の改善 | Python・AWS・React・TypeScript |
| AI導入コンサル・PMO | 28件 | 25.0% | 導入計画、PoC(試作・検証)の推進、AI利用ルールの審査 | AWS・Python・Azure |
| 機械学習・MLOps | 16件 | 12.5% | 需要予測・画像認識などのモデル開発、学習の基盤づくり | Python・TensorFlow |
| データ基盤 | 150件 | 14.7% | AIや分析に使うデータの収集・加工・管理 | Python・AWS・Snowflake・Databricks・GCP |
業務内容と必須スキルの記載に、どの言葉が何件出てくるかも数えました(AI関連306件が分母)。
| よく出る言葉 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| Python | 156件 | 51.0% |
| AWS | 115件 | 37.6% |
| TypeScript | 98件 | 32.0% |
| 要件定義・上流工程・基本設計 | 89件 | 29.1% |
| Claude Code | 73件 | 23.9% |
| Azure | 62件 | 20.3% |
| RAG | 53件 | 17.3% |
| GCP | 52件 | 17.0% |
| OpenAI・ChatGPT・GPT | 30件 | 9.8% |
| Copilot | 25件 | 8.2% |
| LangChain | 16件 | 5.2% |
| LangGraph | 15件 | 4.9% |
| Dify | 12件 | 3.9% |
| MCP | 11件 | 3.6% |
AI案件で求められるのは、AI専用の技術だけではありません。Python・クラウド・TypeScriptといった普段の開発スキルに、LLMのAPI・RAG・AIエージェントの知識を足した組み合わせです。言語ごとの案件数は、案件数が多いプログラミング言語ランキングで比べられます。
LLM案件の3割は、必須スキルにAIの経験がない
LLM案件209件の「必須スキル」欄を読み、条件を分けました。
| 必須スキルの中身 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 生成AI・LLM・AIツールなどの経験が入っている | 142件 | 67.9% |
| AIの経験は入っていない(開発・クラウドなどの経験のみ) | 67件 | 32.1% |
| Web開発・API・バックエンドなどの経験が入っている | 99件 | 47.4% |
| Pythonの経験が入っている | 94件 | 45.0% |
| クラウド(AWS・Azure・GCP)の経験が入っている | 70件 | 33.5% |
| 要件定義・ヒアリング・提案などの上流の経験が入っている | 55件 | 26.3% |
| 生成AI・LLMの経験年数を指定している | 15件 | 7.2% |
- 年数の条件で多いのは「3年以上」。ただし、それは多くの場合Pythonや開発全体の経験年数
- AIの経験年数まで指定している案件は15件(7.2%)だけ
- AI関連306件で、必須スキルに資格を挙げた案件は0件
AIの経験が求められる場合も、「生成AIを活用した開発経験」「LLMを組み込んだ機能の開発経験」など、実務で触ったかどうかを問う書き方が中心です。数年のAI専門の経歴より、今の現場でLLMを使った機能を1つ作った経験のほうが効きます。
コスモくんポイントLLM案件の3割は、AIの経験が必須に入っていないよ。まずは「開発経験+LLMを触った実績1つ」を作るのがポイントだよ!
今のスキルからAI案件へ移る道筋
隣のスキルから移る
AI案件で一緒に求められるスキルを、今のスキルから見た表です。各言語ページの「同時に求められるスキル」の件数を使っています。
| 今のスキル | 月71万円以上 | 隣のAIスキル | 月71万円以上 | つながり |
|---|---|---|---|---|
| Python | 44.2% | LLM | 72.6% | Python案件の119件がLLMを併用。LLM案件でいちばん多い併用スキル |
| AWS | 49.9% | LLM | 72.6% | LLM案件の71件がAWSを併用 |
| TypeScript | 51.8% | LLM | 72.6% | LLM案件の53件がTypeScriptを併用 |
| Azure | 61.2% | LLM | 72.6% | LLM案件の52件がAzureを併用 |
| GCP | 66.7% | LLM | 72.6% | LLM案件の46件がGCPを併用 |
| TypeScript・AWS | — | Claude Code | 54.5% | Claude Code案件の54件がTypeScript、50件がAWSを併用 |
| Python(データ処理) | 44.2% | Databricks・BigQuery | 69.6%・69.2% | Databricks案件の20件、BigQuery案件の35件がPythonを併用 |
経験別に整理すると、次のとおりです。
| 今の経験 | 狙いやすいAI案件 | 足すとよい知識 |
|---|---|---|
| Pythonでバックエンド・API開発 | LLMアプリ開発、RAG、AIエージェント | LLMのAPI呼び出し、FastAPI、RAGの仕組み、回答の精度評価 |
| TypeScript・Reactでフロント・フルスタック開発 | LLMアプリ開発、AI駆動開発 | 生成AIの画面への組み込み、Claude Code・Cursorでの開発の進め方 |
| AWS・Azure・GCPのインフラ構築 | AI基盤の構築、AIエージェントの運用 | Amazon Bedrock・Azure OpenAIなどのマネージドサービス、権限とログの設計 |
| SQL・データ処理 | データ基盤 | Snowflake・Databricks・BigQuery、AIに渡すデータの整え方 |
| 要件定義・PM・PMO | AI導入コンサル・PMO | PoCの進め方、AI利用ルール(ガイドライン)の知識 |
移るための手順
- 自分の言語ページを開き、「同時に求められるスキル」にLLMやAI系のスキルがあるか確認する
- LLMの案件一覧で、必須スキル欄を10件ほど読む。自分が満たしている条件と、足りない条件を書き出す
- 足りない条件のうち、今の現場で触れるものを1つ選ぶ(例:社内向けの問い合わせ回答ボットの試作、既存機能へのLLM APIの組み込み、AIツールを使った開発)
- 試作なら、使うデータとAIツールを現場のルールに合わせる(入力してよい情報は、後の章を参照)
- 1〜3か月続けたら、職務経歴書に「何を・どの規模で・どう変えたか」を書き足す
- 契約の更新や次の案件探しのタイミングで、AI関連の案件に応募する
職務経歴書にはAIの経験を「成果」で書く
AI案件の面談では、AIを「使ったことがある」だけでは伝わりません。NGとOKで比べると、次のとおりです。
| NG | OK |
|---|---|
| ChatGPTを業務で活用 | 社内マニュアル約300ページを検索するRAGを試作。問い合わせ対応の一次回答に使い、回答精度の評価ルールも作成 |
| 生成AIに興味があり勉強中 | 既存の業務システム(Python・FastAPI)に要約機能を追加。LLMのAPI連携とエラー時の処理を担当 |
| Claude Codeを使える | Claude Codeを使ったテストコード作成の手順をチームで標準化。レビューの観点表も作成 |
数字は例です。自分の実績に置きかえて書いてください。職務経歴書の全体の書き方は、職務経歴書の書き方とテンプレートにまとめています。
AIに仕事を奪われる?エンジニアの仕事で変わること
AIに仕事が奪われるかどうかは、職種より仕事の中身で考えるとわかりやすくなります。エンジニアの仕事に絞ると、次のように整理できます。
| AIが手伝いやすい作業 | 人が責任を持つ作業 |
|---|---|
| 決まった形のコードを書く | 何を作るかを決める(要件定義) |
| テストコード・ドキュメントの下書き | 全体の設計、技術の選び方 |
| 既存コードの解析・要約 | AIの出力を確かめ、品質に責任を持つ |
| 定型の調査・比較表づくり | 顧客と調整し、優先順位を決める |
テックスペースのデータでも、AIツールを使って開発する「AI駆動開発」の案件が99件あります。AIが開発の仕事をなくすというより、AIを使って速く開発できる人を探す案件が出てきている状態です。
また、AI関連案件の必須スキルには「要件定義・上流」の経験が29.1%で出てきます。総務省・経済産業省の「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」も、AIを使う事業者に対して、AIの出力の精度とリスクを理解・確認したうえで使うことを求めています。AIの出力を確かめて責任を持てる人の価値は、下がりにくいといえます。
生成AIを業務で使うときの契約・情報管理の注意
フリーランスは、クライアントから預かった情報を扱う立場です。生成AIに何を入れてよいかは、自分の判断ではなく契約とクライアントのルールで決まります。
入力してはいけない情報
| 情報 | 例 | 注意する理由 |
|---|---|---|
| 個人情報 | 顧客やユーザーの氏名・連絡先、問い合わせ履歴、個人を特定できるログ | 個人情報保護委員会は、個人データを含むプロンプトを入力する場合、AIサービスの事業者がそのデータを機械学習に使わないことなどを十分に確認するよう求めている |
| 機密情報 | 公開前のソースコード、設計書、本番環境の接続情報 | AI事業者ガイドラインは、AIを使う事業者に機密情報を不適切に入力しないよう注意を求めている |
| 認証情報 | APIキー、パスワード、アクセストークン | 漏れると、すぐに不正利用につながる |
| 預かった他社の情報 | 取引先の資料、再委託元から受け取った情報 | 契約の秘密保持条項で、使い道や開示先が決められていることが多い |
出典:個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」(2023年6月2日)、総務省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」(2026年3月31日公表)
迷ったら、入れる前に担当者へ確認しましょう。個人名や社名を伏せた架空のデータに置きかえる方法もあります。
コスモくん注意個人情報・機密情報・APIキーは、許可なく生成AIに入れないでね。使える範囲は作業前に文書で確認しよう。
契約前に確認したいチェックリスト
- クライアントに生成AIの利用ルールがあるか(使ってよいツール、禁止されている使い方)
- AIツールのアカウントは、クライアント支給か自分の契約か
- 入力してよい情報の範囲(ソースコード、設計書、ログ、テストデータ)
- 秘密保持条項で、外部サービスへの入力がどう扱われるか
- 入力したデータが学習に使われない設定・契約になっているか
- AIで作ったコードや文書の権利がどちらのものになるか
- AIの出力を誰がどうレビューするか
- AIツールの利用料をどちらが負担するか
AIの生成物と著作権の関係は、文化庁の「AIと著作権について」に考え方とチェックリストがまとまっています。
準委任の契約では、受けた側は専門家として通常求められる注意を払う義務(善管注意義務)を負います。AIが書いたコードでも、確認して納めるのは自分です。契約の基本は委任と委託の違いで解説しています。
よくある質問
AIの実務経験がなくてもAI案件に応募できますか?
応募できる案件はあります。LLM案件209件のうち67件(32.1%)は、必須スキルにAIの経験が入っていません。ただし、Pythonや開発全体で「3年以上」などの実務経験を条件にする案件が多くあります。
AI案件に資格は必要ですか?
AI関連306件で、必須スキルに資格を挙げた案件は0件でした。資格は、実務経験を補う材料として考えるのが現実的です。エンジニア向けの資格の選び方は、フリーランスエンジニアにおすすめの資格で紹介しています。
機械学習や数学から勉強したほうがいいですか?
目指す案件によります。テックスペースのAI関連案件では、機械学習モデルの開発・MLOpsは16件(5.2%)でした。LLMアプリ開発を狙うなら、LLMのAPI・RAG・回答の評価方法から学ぶほうが、案件の条件に近づきやすくなります。
週3日のAI案件はありますか?
2026年10月20日時点では、AI関連306件はすべて稼働率100%でした。フルリモートは70件(22.9%)あります。
業務でChatGPTなどを使ってもいいですか?
クライアントのルールと契約しだいです。使ってよいツール、入力してよい情報、生成物の扱いを、作業前に確認してください。
まとめ
- AI・LLM案件は、AIを作るより「業務に組み込む」案件が中心。機械学習モデル開発は5.2%
- LLM案件は月71万円以上が72.6%で、案件全体(34.1%)の約2倍。フルリモートはAI関連で22.9%
- LLM案件の32.1%は、必須スキルにAIの経験がない。資格を必須にした案件は0件
- 移り方は、Python・クラウド・TypeScriptの「隣」にLLMを足すのが近道
- 生成AIに入れる情報は、契約とクライアントのルールで決まる。個人情報・機密情報・APIキーは入れない
コスモくんヒントLLMの案件一覧や生成AI・AI開発の案件で必須スキル欄を見比べてみてね。応募は無料の会員登録からできるよ!




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2026/10/20
2026/10/21
