公開日
2026/10/21更新日
2026/11/04フリーランスのSAP案件は、単価上限の中央値が月90万円です。S/4HANAの導入・移行が絡む案件では、中央値が月107.5万円に上がります。
この記事では、テックスペースで募集中のSAP案件315件を全件集計しました(2026年10月21日取得)。モジュール別・役割別の単価表、2027年の保守期限で何が起きるか、参画前に確認したい経験のチェックリストを紹介します。
SAP案件の単価相場は月90万円が中心
テックスペースで「SAP」のスキルが付いた募集中の案件は315件です。各案件ページの単価欄から数字を拾うと、次のようになりました。
| 指標 | SAP案件 |
|---|---|
| 募集中の案件 | 315件 |
| 単価の数字が書かれた案件 | 213件(残り102件は「スキル見合い」のみ・時給表記) |
| 単価上限の中央値 | 月90万円 |
| 真ん中の半分(25〜75%) | 月70万〜120万円 |
| 月71万円以上 | 74.6%(159件) |
| 月100万円以上 | 44.6%(95件) |
| 最高額 | 月210万円 |
※単価は案件ページの「単価/月(税抜)」欄。「~110万円」「80~100万円」のように幅がある場合は上限の数字で数えた
単価帯ごとの件数は次のとおりです。
| 単価上限 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 〜50万円 | 8件 | 3.8% |
| 51〜60万円 | 15件 | 7.0% |
| 61〜70万円 | 31件 | 14.6% |
| 71〜90万円 | 56件 | 26.3% |
| 91〜110万円 | 37件 | 17.4% |
| 111〜130万円 | 23件 | 10.8% |
| 131万円以上 | 43件 | 20.2% |
SAPの案件ページの「単価分布」は、単価帯が登録された135件で集計しています。その数え方だと月71万円以上は79.3%で、単価相場と上げ方の記事もこの数字を使っています。この記事の74.6%は、「~180万円(スキル見合い)」のように単価帯が未登録でも数字が書かれた案件を含めた値です。どちらの数え方でも、サイト全体(月71万円以上は約34%)の2倍以上になります。
コスモくんポイントSAP案件は単価上限の真ん中が月90万円。サイト全体と比べて、高い単価帯に案件が集まっているよ!
モジュール別の件数と単価
案件名・業務内容・必須スキル・スキル欄に、モジュール名が出てくる案件を数えました。「SD/MM」のように複数のモジュールを担当する案件は、それぞれに数えています。
| モジュール・領域 | 件数 | 単価記載 | 単価上限の中央値 | 月100万円以上 | フルリモート |
|---|---|---|---|---|---|
| S/4HANA(言及あり) | 113件 | 70件 | 107.5万円 | 60.0% | 13.3% |
| FI/CO(財務会計・管理会計) | 102件 | 69件 | 90万円 | 36.2% | 7.8% |
| SD(販売) | 69件 | 40件 | 90万円 | 35.0% | 18.8% |
| MM(購買・在庫) | 68件 | 37件 | 90万円 | 35.1% | 16.2% |
| ABAP(開発) | 56件 | 36件 | 90万円 | 27.8% | 7.1% |
| PP(生産) | 29件 | 14件 | 110万円 | 71.4% | 20.7% |
| Fiori | 20件 | 16件 | 95万円 | 50.0% | 10.0% |
| PS(プロジェクト管理) | 16件 | 10件 | 107万円 | 80.0% | 31.3% |
| SuccessFactors・HCM(人事) | 13件 | 12件 | 85万円 | 33.3% | 23.1% |
| BW・BusinessObjects・SAC(分析) | 10件 | 6件 | 100万円 | 66.7% | 0% |
| BASIS(基盤) | 8件 | 4件 | 57.5万円 | 0% | 25.0% |
| BTP | 8件 | 6件 | 100万円 | 83.3% | 25.0% |
| SAP全体 | 315件 | 213件 | 90万円 | 44.6% | 10.8% |
※月100万円以上の割合は単価記載の案件に占める割合。フルリモートは件数に占める割合
表から読み取れることは、次の4つです。
- 件数が一番多いのはFI/CO。会計領域は導入・保守・法改正対応(新リース会計基準など)と案件の種類が幅広い
- SD・MM・FI/COの中央値はそろって月90万円。モジュールの違いより、どの工程を担当するかで単価が分かれる
- PP・PSは件数が少ないが単価が高い。単価記載のうち、PPは71.4%、PSは80.0%が月100万円以上で、製造業のS/4HANA導入の案件が中心
- BASISは8件と少なく、うち6件が運用保守・サポート。単価記載の4件は月50万〜72万円だった
ほかに、EWM(倉庫管理)の案件が5件あり、単価はいずれも月175万円でした。ただし同じ内容とみられる案件が別番号で複数掲載されているため、「EWMなら175万円が相場」とは言えません。
コスモくんポイント単価を分けるのはモジュール名より「S/4HANAの導入・移行に関わるか」だよ!
役割別の単価:導入の上流ほど高い
同じSAP案件でも、役割によって単価の中央値は月70万円台から140万円まで開きます。
| 役割 | 件数 | 単価記載 | 単価上限の中央値 | 月100万円以上 |
|---|---|---|---|---|
| PM | 16件 | 12件 | 140万円 | 100% |
| PL・リーダー | 23件 | 18件 | 115万円 | 88.9% |
| PMO | 32件 | 23件 | 110万円 | 60.9% |
| コンサル(案件名に「コンサル」) | 50件 | 35件 | 120万円 | 68.6% |
| テスト・品質(案件名に「テスト」「UAT」「QA」など) | 33件 | 19件 | 90万円 | 36.8% |
| 開発(案件名に「ABAP」「開発」「アドオン」) | 57件 | 40件 | 85万円 | 20.0% |
| 運用・保守(案件名に「運用」「保守」) | 31件 | 24件 | 71万円 | 16.7% |
| 基盤・インフラ(案件名に「BASIS」「基盤」「AWS」「Azure」など) | 18件 | 14件 | 71万円 | 14.3% |
※PM・PL・PMOはテックスペースのポジション分類。それ以外は案件名に含まれる言葉で分類した(1件が複数の行に入ることがある)
PMの中央値140万円、PMOの110万円は、PM・PMO案件の単価の記事の集計(PMポジションでSAPが絡む16件、PMO 32件)と同じ案件群です。
必須スキル欄を見ると、差の理由がはっきりします。「導入」とSAP・モジュール名の両方が書かれた案件83件は中央値が月140万円です。一方、必須スキル欄に「運用」「保守」が書かれた35件は月75万円でした。
| 必須スキル欄に書かれた言葉 | 件数(315件中) | 単価記載 | 単価上限の中央値 |
|---|---|---|---|
| SAP・ERP・モジュール名 +「導入」 | 83件(26.3%) | 53件 | 140万円 |
| 要件定義 | 55件(17.5%) | 36件 | 125万円 |
| 業務の言葉(会計・販売・購買・生産・人事など) | 68件(21.6%) | 51件 | 115万円 |
| 英語(案件名を含む) | 28件(8.9%) | 22件 | 100万円 |
| 運用・保守 | 35件(11.1%) | 25件 | 75万円 |
導入プロジェクトで要件定義から本稼働まで経験し、業務を説明できる人ほど単価が上がる、という構図です。
2027年問題:SAP ERP 6.0の保守期限と案件への影響
「SAPの2027年問題」は、SAP ERP 6.0(ECC)を含むSAP Business Suite 7の標準保守が2027年末で終わることを指します。SAP公式の保守方針のページでは、次のように案内されています(2026年10月21日確認)。
| 期間 | 内容 |
|---|---|
| 〜2027年末 | メインストリームメンテナンス(標準保守)。SAP ERP 6.0などのコアアプリケーション、最新3つのエンハンスメントパッケージが対象 |
| 2028年〜2030年末 | 任意の延長メンテナンス。保守料の基準に2ポイント上乗せ |
| 延長を選ばない場合・延長終了後 | カスタマースペシフィックメンテナンス(個別保守)に移る |
| 2031年〜 | 大規模顧客向けの有償の移行オプション(SAP ERP, private edition, transition option)。SAP HANAへの移行済み、システム2TB以上などの条件つき |
| 〜2040年末 | SAP S/4HANAは、2040年末まで少なくとも1つのリリースが保守対象になると発表されている |
移行オプションは、当初2031〜2033年の提供と発表されました。その後、SAPのニュース記事に2026年10月13日付で「条件つきで2035年末まで」という追記がされています。条件は細かく、使える企業は限られます。
案件データで見る影響
2027年が近づいて、S/4HANAへの移行案件はすでに大きな割合を占めています。
| 案件の内容 | 件数(315件中) | 単価記載 | 単価上限の中央値 |
|---|---|---|---|
| S/4HANAに言及あり | 113件(35.9%) | 70件 | 107.5万円 |
| うち、移行・刷新・コンバージョンなど | 54件(17.1%) | 33件 | 120万円 |
| S/4HANAへの言及なし | 202件(64.1%) | 143件 | 90万円 |
| ECCに言及あり(保守・海外展開・移行) | 20件(6.3%) | 7件 | 90万円 |
| RISE with SAP・パブリッククラウドなど | 11件(3.5%) | 5件 | 120万円 |
業務内容には、Fit to Standard(標準機能に業務を合わせる進め方)やFit&Gapの言葉が30件に出てきます。パブリッククラウド版の導入案件では、とくにこの進め方が条件に入っています。
延長保守と移行オプションがあるため、2028年に案件が一気になくなるわけではありません。移行の時期が2030年前後まで分散し、要件定義・データ移行・テスト・定着化の案件が続くと考えるのが現実的です。
コスモくん注意2027年で仕事がなくなるわけじゃないよ。延長保守もあるから、移行案件は時期をずらして出てくるんだ。
働き方:リモート・契約形態・勤務地
リモートは「週2〜3出社」までが多い
| 出社の頻度(リモート比率) | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 週5出社(0%) | 122件 | 38.7% |
| 週4出社(20%) | 21件 | 6.7% |
| 週2〜3出社(40〜60%) | 97件 | 30.8% |
| 週1出社(80%) | 41件 | 13.0% |
| フルリモート(100%) | 34件 | 10.8% |
フルリモートの割合は10.8%で、サイト全体(9.5%)とほぼ同じです。モジュール別では、SD(18.8%)・MM(16.2%)・PP(20.7%)が高く、FI/CO(7.8%)とABAP(7.1%)は低めでした。ABAPの案件は53.6%が週5出社です。
英語が条件の28件は、フルリモートが32.1%ありました。海外拠点との会議が中心の案件は、出社を求めないものが目立ちます。
契約と面談
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 契約形態 | 準委任 308件(97.8%)、派遣 7件(2.2%) |
| 精算時間 | 150〜180時間 298件(94.6%) |
| 稼働率 | 315件すべて100%(週2〜3日稼働の案件は今回の集計では見当たらなかった) |
| 面談回数 | 1回 139件(44.1%)、2回 165件(52.4%)、3回以上 11件 |
| 支払いサイト | 45日(相談可能) |
準委任の契約で気をつけたい点は、委任と委託の違いの記事にまとめています。
勤務地は東京が中心
勤務地の記載がある249件のうち、首都圏以外は14件(愛知・静岡8件、関西6件)でした。名古屋・浜松・大阪・姫路・神戸の製造業の導入案件があります。
参画に必要な経験
年数より「何をしたか」が書かれる
必須スキル欄に「○年以上」と年数が書かれた案件は、315件中29件(9.2%)だけでした。多いのは3年以上・5年以上(各9件)です。
ほとんどの案件は、年数ではなく経験の中身で条件を書いています。実際の必須スキル欄には、次のような書き方が並びます。
- 「SAP MM・調達領域モジュールの導入経験、設計・機能テスト・ユーザ教育の実施経験」
- 「SAP COの実務経験、CO-PC(製品原価管理)の知識・実務経験」
- 「SAPモジュール(SD・MM・PP)の実務経験、ユーザーセッション対応の経験」
- 「Fioriの開発経験、ABAPまたはRAPの開発経験」
資格・認定が必須スキル欄に出てきたのは、315件中1件でした。SAP認定は、経験の裏付けとして職務経歴書に書く位置づけです(資格の記事)。
SAPの経験がなくても入れる周辺案件
必須スキル欄にSAP・ERP・モジュール名が1つも出てこない案件が55件(17.5%)ありました。単価上限の中央値は月70万円です。
- SAP導入プロジェクトのPMO補佐(PMO経験1年以上など)
- SAP周辺システムのAzure・AWS基盤の構築・運用
- SAPと連携するExcel VBAツール、Java、intra-martの開発
- SAP導入に伴うRPA(UiPath)の移行
SAPの現場に入り、業務とモジュールの知識を身につけてから、モジュール担当へ移るルートになります。
職務経歴書に書きたいことのチェックリスト
SAP案件の面談では、モジュール名とフェーズの組み合わせで経験が判断されます。職務経歴書には次の項目を入れましょう(書き方の例は職務経歴書テンプレートの記事)。
- 担当したモジュール(FI/CO、SD、MMなど。CO-PCのようにサブモジュールまで)
- 担当したフェーズ(構想・要件定義・設計・開発・テスト・移行・本稼働・保守)
- プロジェクトの種類(新規導入、S/4HANAへの移行、ロールアウト、保守)
- バージョン(ECC、S/4HANAのオンプレミス・クラウド)
- 業種と業務(製造業の原価計算、商社の販売管理など)
- コンフィグ(設定)とアドオン開発のどちらをしたか
- 体制の規模と自分の立場(モジュールリード、メンバーなど)
- 英語の使用場面(会議、資料作成、海外拠点との調整)
コスモくんヒント「S/4HANA移行の要件定義でSDを担当」のように、モジュールと工程をセットで書こうね!
経験別:次に狙うSAP案件
| 今の経験 | 次に狙う案件 | 案件データ |
|---|---|---|
| SAP未経験のPMO・インフラ・開発 | SAP導入プロジェクトの周辺案件 | SAP系の言葉が必須スキル欄にない55件、中央値70万円 |
| モジュールの運用・保守 | 導入・移行プロジェクトのテスト、データ移行 | 運用・保守が条件の案件は中央値75万円、テスト・品質は90万円 |
| ABAP開発 | Fiori・BTP・RAPのアドオン開発、S/4HANAへのコンバージョン | Fiori 中央値95万円、BTP 100万円 |
| モジュールの導入経験 | S/4HANA移行のモジュールリード、導入コンサル | 導入経験が条件の83件は中央値140万円 |
| 導入コンサル・リーダー | PM・PMO | PM 140万円、PMO 110万円 |
運用・保守から導入プロジェクトへ移ると、中央値の差は月65万円あります(75万円→140万円)。移行の案件が多い今は、テストやデータ移行の工程から導入プロジェクトに入る機会が広がっています。
募集中SAPの募集中案件311件
- SAP HCM人事給与領域の運用保守支援(ABAP、汐留)詳細を見る
- 運用チームの構築・検証・標準化支援(手順書精査・SQL、新宿)詳細を見る
- 情報サービス企業の運用グループ定常業務(SAP関連のID申請対応)詳細を見る
- 製造業向けSAP開発(詳細設計・ABAP改修・単体テスト、汐留)詳細を見る
- 繊維製造業向けSAP S/4HANA刷新のデータ移行リード(半蔵門)詳細を見る
案件の検索は登録なしでできます。応募するときは無料の会員登録(最短2項目・10秒)をしてください。
よくある質問
SAP未経験でもフリーランスで案件に入れる?
SAPのモジュール担当として入るのは難しいです。ただ、PMO補佐・基盤構築・連携開発など、必須スキル欄にSAPの経験を求めない案件が315件中55件ありました。まずはこうした周辺案件で、SAPのプロジェクトの進め方を経験する方法があります。
SAP案件はフルリモートでできる?
募集中315件のうち、フルリモートは34件(10.8%)です。週1出社までに広げると75件(23.8%)になります。SD・MM・PPの案件や、英語を使う海外展開の案件にフルリモートが多い傾向です。
週3日のSAP案件はある?
今回集計した315件は、稼働率がすべて100%でした。SAP案件で週2〜3日稼働を探すのは、現時点では難しいと考えておきましょう。
2027年以降、SAP案件は減る?
SAPの標準保守は2027年末で終わりますが、延長保守が2030年末まであり、その後の移行オプションもあります。移行の時期は企業ごとに分かれるため、移行・刷新の案件はしばらく続くと考えられます。
SAP認定資格は必要?
必須スキル欄に資格・認定を条件にした案件は315件中1件でした。資格よりも、どのモジュールでどのフェーズを担当したかが見られます。
まとめ
- SAP案件は、単価上限の中央値が月90万円。月100万円以上が44.6%
- S/4HANAが絡む案件は中央値107.5万円、そのうち移行・刷新は120万円
- FI/COが最も多く、SD・MMが続く。モジュールより工程で単価が分かれる
- 導入経験が条件の案件は中央値140万円、運用・保守は75万円
- 2027年末で標準保守が終わっても、延長保守と移行オプションで移行案件は続く
- 年数を書く案件は1割未満。モジュールとフェーズの組み合わせで経験を示す
コスモくんヒントSAPの案件一覧を単価で絞り込んでみてね。応募は無料の会員登録(最短2項目・10秒)からできるよ!




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2026/11/04
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